忘れじの

行く末までは かたければ
今日を限りの 命ともがな

百人一首に数えられている、儀同三司母という人の和歌です。
卒業をテーマに何か書こうとしてふと浮かんだ心情を言葉にするなら、この句だなと。
残念ながら、他人様の言葉を借用してまで言うほどの内容はありません。こんなに切実でもないです。
でもしろブロの担当も数年ぶりだしせっかくなので、少し真面目に、長々と書こうと思います。

ありがたいことに、この劇団で6年ほども活動を続けさせていただけました。
小学校1年生が6年生に、中学校1年生が高校3年生になるまでの長い時間です。
年下の後輩の生まれ年を聞くたび、自身の浪費した時間の長さと活動に残された時間の短さを、実感してきたここ2年でした。
そして6年間もいた割に、積極的に活動に参加していたかと言われるとそうでもありません。
何をしてたんでしょうね。
思い返しても思い出せません。

コロナ流行以降に入ってきた後輩なんかは、人数が多いうえ話す機会もそれほどなかったので、話しかけられるし知られているけど、私の方は困惑するなんてことが多々ありました。
そして私は基本的に、「世の人間はみんな私のことをうっすら嫌い」と思って生きているので、人に認知されることが苦手です。

知らん人に話しかけられると、どんな悪口言われてるのかなって。
黒歴史とか最低な言動とか、忘れてて欲しい〜〜覚えられてたくない〜〜〜〜
切実にそう思ってます。認知されたくないオタクです。
そもそも人との交流は得意ではないので、まあまあどころかしっかり迷惑かけました。
ついでにこの場で懺悔しときます。すみませんでした。

にも関わらず、いざ卒業するとなると、
私あの公演の時これめちゃくちゃ頑張ったよ!
これやった時の私天才じゃない???
などと、都合良く人に喧伝したくなるあたり、我ながら本当に俗っぽい。

意外と大事な、忘れられたくない6年だったのかも。なんて。
人間どうせ「忘れない」と言ったことでも忘れるんです。
ミリだけ覚えてて欲しいと願う程度は、罰当たりじゃないんじゃないか。

「君のことは忘れないよ」って言われたところでどうせ君は忘れるんだろうから、そう言われて嬉しかった今日で死にたい!

こんなメンヘラな言葉を残した儀同三司母ほど切実な思いではありませんが、最後の日くらい、人の記憶から薄れることをちょっとは惜しんでもいいんでないかな?と己に言い聞かせている所です。
果たして自己暗示は成功するでしょうか。

ちなみにこの文章、追いコンより1週間以上前に書いているので、いざ追いコン行ったら全然違うこと言ってる可能性があります。
ともあれ、私としては、演劇や創作活動に真摯に向き合った6年間でした。
自分だけでも、この記憶を生涯大事にとっときたいと思います。

長々と読んでいただき、ありがとうございました。

 

6年目 アンジェラ晩秋


《公演情報》

劇団しろちゃん2024冬公演
「ボイジャーによろしく」

暮らしの中に消えていきそうな私たちをいつか誰かが、見つけてくれるだろうか。

 

○あらすじ

ボイジャー探査機の発見により異星間交流が始まった世界。
凛は母・楓花がかつて暮らしていたシェアハウス「ひかり荘」を訪れる。楓花はそこでの日々を小説として綴っていた……。

「私たち、ほんとに家族だったのかな。」

ロボットや異星人も住む地球のシェアハウスを舞台に、暮らしの中で消えゆく思いを描く。

■来場チケット↓
https://www.quartet-online.net/ticket/shironiyoroshiku
■配信チケット↓
https://teket.jp/2750/30581

【公演日時】
2/23(金) 19:00
2/24(土) 11:00 15:00 19:00
2/25(日) 12:00 16:00

【チケット料金】
□予約 1000円
□当日 1200円
□グループ割(3人以上) 1人800円

□アーカイブ配信 800円
※アーカイブ配信期間:3月4日(月)9:00から3月10日(日)23:59まで

配信チケットご購入/アーカイブ映像ご視聴には、「teket」の会員登録(無料)が必要となります

【公演場所】
カタリナスタジオ
札幌市北区北10条西2丁目18-1

■出演

大友日菜詩
岩岬那月
赤井煌人
山口真歩
間崎優太
神久保今梨
斎藤秀太郎
野々村有紗
北川翔一

脚本演出:梁知生
助演出:斎藤和寛

■お問い合わせ、SNS等
メール:shiro_chan95@hotmail.com
X(Twitter):@shiro_hokudai #しろによろしく
Instagram:shiro_hokudai
HP:https://gekidanshirochan.com

お問い合わせはメール、またはX(Twitter)、InstagramのDMでも承っております。

後援 札幌市・札幌市教育委員会

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