りらは、きびしい、つめたいんだ
いま一番憧れている人。
………りら。脚本演出、りら。
りりり、ららら、らり、ららら。
らりらり、ららら、ら、りらら。
気持ちのよい音。
いや、騙されちゃいけない。
1年前、わたしは「りらなんか嫌いだ」と本人に暴言を吐いたことがあった。感情任せにいい加減な嘘を吐いた。感情が昂りその場を逃げ出したくなる。急いで階段を駆け降りるわたしを見ながら、りらはにこにこ。「ばにあざ、足元気をつけて」と言った。りらは怖い。
1年前、デッドぎりぎりまで考え尽くした舞台美術をりらは提出した。わたしには到底わからなかったが、舞台美術を考える作業が大変だというのは想像に難くない。サークル会館に疲れを持ち込まない彼女だけれど、なんとなく、なんとなくだけ、苦しそうだった。
舞台美術を各部署に共有する姿は、グループLINEを通じて見えた。何気なく「おつかれ様」と連絡を入れた。間も無く、通知音が鳴った。
「ばにあざ、ありがとう。あったかい❣️❣️」
この言葉は、凄い。
言葉にならない言葉こそ言葉にするべきだが難しい。なんとも言えない凄さがある。この言葉が、いまだに私の背中を押す瞬間がある。りらは、あたたかい。
りらとは、劇団しろちゃんで出会いに、さまざまな時間を共にしてきた。まさかというまさかが様々起きた。今公演で、りらとトップとして演劇をつくる仲間であれたことも、そのひとつだ。
Show must go on!
開いたからには閉じるまで。
へんな文章を書いているうちに、走り切る覚悟が出来てきた。
本番まであと1週間。来週のいまごろ、劇場でお客さんを迎える私たちは笑っているだろうか。
…ここまで一切りらの許可を取らずに書いた。怒られたらどうしよう。りらは、怖いから。
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