【衝撃】深夜のコンビニでバイトしてたらまさかの結果に
男は頭を抱えた。今までこんなにも他人と意思疎通が取れなかったことはない。
「あの、すみませんお客様。ご用件を伺ってもよろしいでしょうか?」
「劇団しろちゃん学祭公演らすとらべる 6月8日から9日」
深夜のコンビニに似合わない、はっきりとした声で彼女はそう言った。
「いえ、ですから、それはもうわかりましたから。何かお求めでしたら、お持ちしますのでおっしゃっていただければ」
「劇団しろちゃん学祭公演らすとらべる 6月8日から9日」
男は再び頭を抱えた。いつの間にか喉がカラカラに乾ききってしまっている。一体何が起きているのだろうか。
彼女が来店したのは20分ほど前のことだった。30秒くらいかけて店内を一周した後、空のカゴをレジに置いて、彼女は突然こう言った。
「劇団しろちゃん学祭公演らすとらべる 6月8日から9日」
それからずっとこの調子だ。
何を言っても、表情を少しもかえず、真顔のまま同じ言葉を返してくる。ロボットでも相手にしている気分だった。
「劇団しろちゃん学祭公演らすとらべる 6月8日から9日」
何か話しかけるか、30秒以上沈黙が続くかすると彼女はそう言った。どうやらそういう「仕組み」になっているようだった。
「劇団しろちゃん学祭公演らすとらべる 6月8日から9日」
「そうですか。わかりました。わかりましたから」
腕時計に目をやる。午前2時35分。バイトが終わったら早く家に帰って寝よう。丁寧な口調で話すことにもいい加減疲れてきた。
「あんたさっきからうるさいんだよ。迷惑だから、何も買わないなら出て行ってくれ」
ピクん、と彼女の眉が跳ねるように動いた。彼女がはじめて見せた、人間らしい表情だった。彼女は一瞬、怒ったような顔になったが、すぐにまた真顔に戻ってこう言った。
「あなたも、言ってみたらどうですか」
ああもうめんどくさい。どうにでもなれ。男は深く息を吸い、そして言った。
「劇団しろちゃん学祭公演らすとらべる 6月8日から9日」
するとどうだろう。今まで感じていた疲れが嘘のように消え、かわりに、暖かい布団に包まれているような、幸せな心地が体に広がった。
「劇団しろちゃん学祭公演らすとらべる 6月8日から9日」
もう一度口に出して唱えてみる。まるで生まれた時からそばにあったような、妙な懐かしさがする。
女は満足そうに男へ笑いかけ、そして店を出て行った。
そんなわけで、劇団しろちゃんの前回り受け身でした。
劇団しろちゃん学祭公演らすとらべる 6月8日から9日の北大祭にて上演致します!
是非観にきてくださいね。
公 演 情 報
〜劇団しろちゃん2019学祭公演〜
「らすとらべる」
脚本・演出:金澤龍汰郎
●日時
全4ステージ
2019年
6月8日(土) 11:00/15:00/19:00
6月9日(日) 11:00
開場は開演の30分前です。
●場所
北海道大学高等教育推進機構(北17条西8丁目)
1F大講堂
●料金
前売り・予約:300円
当日:500円
●お問い合わせ
お電話 080-6930-8662(制作)
メール shiro_chan95@hotmail.com
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