「和」の話

家族の影響でライブに行っていたバンドがあります。10周年を機に活動休止してしまいました。

このバンドのライブに初めて行ったのは小学5年生の時と記憶しています。妹が小学2年生でした。

家族4人でペニーレーン24という札幌のキャパの小さいライブハウスに行きました。
後ろの方にはキッズシートもあったけど、未就学児の方が多くて私たちは普通に両親と一緒に見るつもり

でした

けど、みなさん想像がつきますか?あれだけ狭い会場になると客席はなくて立ち見なんですよね。まさに押し合いへし合いで見ることになるのです。

妹なんてまだ身長120cmぐらいですから人の後ろじゃライブなんて見れるわけないしなんなら潰されかねません。

まあそんなことはつゆ知らず。家族で行く初めてのライブだったし、チケットの番号は割と早かったので前の方で観れるだろうと並んでいたんですよね。

そんな中私たちの前に並んでいた大学生ぐらいのお姉さん集団とおしゃべりすることになりました。あの会場で小学生は珍しかったので可愛いねーって話しかけてくれて。
「ちっちゃくて危ないよー知り合いが前の方にいるから前行って守ってもらいなー」って言ってくれて。
実際に入場したらあれよあれよとそのまま妹と2人で最前列へ。
番号の若い順に入場できるので、両親は順当な位置に、私たちは恐らく一桁の番号であろうバンドのガチファンの人と同じところで見ることになりました。

最前で見る私たちが怪我しないようにガタイいいおじさんファンが壁になりつつ、わたしたちに当たらないようにペンライトを振っていたのを覚えています。

最前から見えた景色もすごくて。妹はまだ幼いから途中で疲れてしまってペンラを振る手が止まってしまったんですよね。そしたらギターの方がステージ上でしゃがんで目線を妹に合わせてペンラ振って振って〜ってジェスチャーして。
ボーカルの人も何度も私たちの目の高さまで屈んで手を振ってくれました。

チケットの番号に関わらず、私達を最前に行かせてくれた優しさ。
最後まで安全に見れるように守ってくれた優しさ。
小さい子を楽しませようという優しさ。

見ず知らずの大人達の優しさによって一生に一度の特別な思い出となりました。

その後歳を重ねるごとにライブハウスの規模は大きくなり、あの時より近かったことはもうありません。バンドも休止してしまい、いつ再開するかもわかりません。

でもこんな10年も前の出来事をふと思い出し温かい気持ちになりました。

別に死にたいとか思ってないけどね、悪くない人生だなって思いました。
受け取った優しさの恩を返せてないなとも思ったし。

優しさに甘えながら、優しさを返していく人生を送りたいですね。

3年目_役者 王者の風格ixお返し申す

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