照明をshow me!

今回、しろちゃん内で密かに行われている新企画。
「部署交換体験」!!

普段、自分が所属し、活動している部署ではない、
お隣さんに訪問していき、その日1日、お隣さんになりきる企画です。

わたくし、じょーせん部のないちは、
照明班の朱雀先生のもとに派遣されて、照明のあれやこれやを目にしました。

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ということで。
じょーせん → しょーめい
の部署交換日記スタートです。

と言ったものの、その日はプランを立てる日。
照明の灯体を吊るすボイド管は立たない日。

せっかくなので、プランについてインタビュー。
じょーせんとしょーめいで、比べちゃいましたっ。

な「こんにちは」
朱「だあああ、こんにちは。」

照明あるある① 身体をよじらせ奇声を発する。

な「脚本の見どころを教えてください。」
朱「脚本ですか?(以下5分朱雀先生語り)」

照明あるある② 脚本を役者、演出ばりに深く理解している。

な「照明として今回の脚本に取り組むやりがい、見どころを教えてください。」
朱「せっかくこれだけ難しい脚本に出会えたので、精いっぱい考えて、自分が演出家のやりたいことの手助けをしながら、表現にチャレンジしてみたいです。難しい本で、照明やれて嬉しいです。今も悩んでるプランがあるんですよ、考えてるの楽しいです。」

照明あるある③ ドM。

な「今回の照明のキーワードは何ですか。」
朱「橋ですね。」
な「太平洋の橋になるんですか。フロンティア精神ですね。」
朱「だああああ。ですね。」

照明あるある④ 人が好い。

な「今回、何を目指していますか。」
朱「一般化されない照明、ですね。」
な「あ~、記号化できない照明、ってことですね?」
朱「だあああ、そうですそうです。あ~こういう系の芝居なんだな、と照明でカテゴライズされない、唯一無二の表現を出したいです。演出との約束でもありますからね。」

照明あるある⑤ 急に真面目。急にアツい。

な「なるほど、それは楽ではない、試みですね。」
イ「がんばってー」  (音響トップ イーハトーブ)
ヨ「なんかがんばってーって言ってる~」 (照明後見人 ヨウ素液)
朱「だああ、ありがとうございます。」
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照明あるある⑥ 隣人が美人。先輩が可愛い。

な「いいね、オペさん仲良いし、見目麗しのお姉さまに囲まれて、ね。」
朱「はい!もぉ~、、ミメ、ウツ、ウツ、ウルワシノオネエサマ、デスヨ!」

照明あるある⑦ 隣人と先輩のプレッシャーが凄まじい。

な「照明としての愉しみは何でしょう。」
朱「そうですね、まず、小屋で、100分ほどのお芝居のプランをひとりで立てるのは今回初めてで、それに、今回はとりたてて難しい脚本ですので、もたれかかって信用して本に向き合って表現を作れるので、チャレンジングですが楽しいです。初めての怖さと、初めての楽しさがありますね。」
な「なるほど、朱雀先生でも緊張するんですね。」
朱「しますよぉ~。僕、人間ですからねぇ~。」

照明あるある⑧ 実は人間、ということがある。

〈後日談〉
~照明さんのプラン作成について~

我々じょーせん部と、しょーめい班、
比べてみると違うことが見えてきます。

じょーせん部は、人がたくさんいます。(各方面の職人が集まっています。)
しょーめい班は、ふたりぼっちです。(一子相伝の掟があります。)

じょーせん部は、(まだ)お客さんじゃない、方々を楽しませるお仕事です。
しょーめい班は、(既に)お客さん、な方々を楽しませるお仕事です。

じょーせん部は、劇場に来ていただくまでがお仕事です。
しょーめい班は、劇場に来ていただいてからがお仕事です。

じょーせんとしょーめい、
外向きの仕事と内向きの仕事、
お客さんじゃない方にお客さんになっていただくお仕事とお客さんにお客さんを楽しんでいただくお仕事、

と、
一見、違うように思えますが、
実は結構似ているかもしれません。

お客さんに情報を伝えたいのだけれど、伝えすぎないように、
効果とクオリティと示し過ぎとのバランスに頭を抱えて、表現していく。


照明さんは今回インタビューしたとき、照明プランのあることで悩んでいました。
「出したい照明効果、があるのだけれど、その効果を保ちつつ、演出過剰にならず、一般化、記号化できる枠に収まらず、それでも何かを伝えたい!」葛藤と戦っていました。
そのために、いくつものアイデアが生まれては、ボツになり、生まれては、たまに納得がいき、少しずつ出来上がっていくのです。

僕らじょーせん部も同じで、
「狙いたい宣伝効果、があるのだけれど、その効果を保ちつつ、このお芝居の特別なところを伝えすぎてはならず、かといって、簡単に作品をカテゴライズされてはならず、それでも何かを伝えたい!」葛藤と毎日戦っています。Twitterの140字に何を込めるか、どう印象を与えるか、なんてことを毎日真剣に悩んで呟いています。
宣伝のために試し読みマンガを作りたいけれど、
どこまでお芝居の内容詰め込んでいいだろうか、
このセリフは入れていいだろうか、
こんな表情で喋らせていいだろうか、
お客さんはこれを見て「このお芝居を観たい!」という気持ちを持ってくださるだろうか、
なんてことも、今回は考えました。
(マンガは近日、しろTwitterでも公開!)

・そのお芝居の第一印象を担っている。

劇場に入って、何か特別な空間にうっとりすることは少なくないでしょう。
あの幕が上がる前の劇場特有の期待感、高揚感、不気味さ、閉鎖感、が入り混じった空間、
お客さんが初めてそのお芝居の雰囲気を味わう瞬間、
を作り出しているのは、
紛れもなくしょーめいはん(京都風)と音響さんなのです。
そして、ほとんどのお芝居、において
暗転ののち、最も初めにお客さんに届けられる表現は照明の光でしょう。
じわぁ、
っと立ち上がる照明の明かりが、真っ暗の目の前に、突如現れる道標となって。
実は、お客さんの最初の焦点を当てる先を操ってしまえるのは照明はんなのです。

しょーめい班がお芝居の第一印象を担っているのなら、
では、じょーせん部は、というと、やっぱり第一印象を担っていますよね。
僕らは、お客さんにこのお芝居の表情を見せる最初のお仕事を担っているのですから。
言ってみれば、
生きる指標を見失って路頭に迷って(ばかりではないでしょうが)
押し流されて、もがいて、
どこに向かうかもわからない日常という真っ暗闇を無我夢中で歩き続けている(ばかりではないでしょうが)
そんな人たちに、
このお芝居を観ればいいんだよ、と
この舞台に足を運んでくださればいいんだよ、と
救済の光で行く先(BLOCH)を示す、菩薩のような仕事、
それがじょーせん部(ばかりではなでしょうが)なのです。

(未)お客様に向けて、このお芝居の第一印象を示すのがじょーせん部。
(既)お客様に向けて、このお芝居の第一印象を
示すのがしょーめいはん。

つまり、
しょーめい班もじょーせん部も
焦点は舞台に向けられているのです。

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(写真は小屋入りカウントダウンカレンダー作成中の朱雀先生。)

いつもは稽古場で対角線上に座って一番遠い照明さん、
今日は、そんな照明さんにサス(スポットライト)一個分、近づけた気がしました。

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