アキのカンたらけたたましい
こんにちは。脚本演出の鎌上です。
このお話を書いた背景を書くタイミングが意外となかったので、ここで少し話そうかなと思います。何か明確なエピソードがあるわけではないんですけどね。いつものごとく、しろちゃんの話です。
僕は志の高い人間なのでサカンで出たゴミを律儀にまとめて捨てに行くことが多いのですが、空き缶って意味分からなくないですか?
中身が何も入っていないのに、蹴ったり落としたりしたらあんなにうるさいんですよ。逆に中身が詰まっている時の方が、落とした時の音とかは静かなんですよね。
空っぽなのにうるさくて、嫌になるほどけたたましい。そんなエネルギーを感じる一方で、音の質はどこかむなしいというか、中身が空っぽであることは明確に分かってしまう。不思議なアイテムだと思います。
演劇をつくっているときの僕らも、この空き缶に似ているところがあるような気がします。
演劇なんて基本的に、つくっても何の意味もないんですよ。そんな無駄なものに、大学生の貴重な夏休みを注いでいる訳ですね。僕の場合は4年間も。今年も懲りずに夏休みをほぼすべて費やしてしまいました。
人生の夏休みとも言われる大学生活、そのまたさらに夏休み。なんだってできたはずです。たくさんバイトしてお金貯めて旅行に行ったり、資格勉強したり研究室にたくさん行ったり、他の趣味だってできます。僕今ドラム叩きたいんですよねー。
そんな全ての可能性を排して、演劇なんていう不毛な生産活動に勤しんでいるんですよ。本気で。命を削るくらいの全力で。
意味が分からないですよねほんと。こんな無意味なことに全力なんですよ。本気で悩んで本気でぶつかって、演劇つくってるんですよ。
さらによくわからないのが、そういう本気で頑張る人たちが報われないのが許せないっていうところで。
僕は中高帰宅部で、部活の文句言うやつ意味わかんなかったんです。好きでやってんでしょって。
そんな僕も、今やそっち側の人間になっているんですね。不思議なもんだ。
本当に細かくて、どうでもいいよってところまでたくさん悩んで考えてこだわり抜いて、必死に演劇をつくっていくみんなが大好きです。
そんなみんなのこだわりを、頑張りを、無駄だとか不毛だとか言ってバカにさせたくないし、安全圏から笑ってるだけの人間たちを見返してやりたくて。
いつまでやってんだって冷静になることもあるけれど、僕はまだ、みんなのことを見せつけたい。こんなにすごい奴らの本気が集まっているんだから。
こんなけたたましい思いが、このお話に込められていたんですねぇ。
以上、空き缶みたいなヒョロガリこと、ころりこでした。
4年目_脚本演出 転がるリコ、君にリコが降る

