顔も名前も知らないからこそ
皆さんは『あしながおじさん』というお話を読んだことはありますか。
このお話を簡単に説明すると、孤児院で育った少女の文才が、一人の資産家の目にとまり毎月手紙を書くことを条件に大学進学のための奨学金を受けるお話です。
私はこのお話は好きですが、姿を見せないあしながおじさんに不気味さを感じていました。
なんで姿を現さないで無条件にお金を出してくれるのか普通なら疑問に思ってしまいます。
しかもこのお話の結末は、このあしながおじさんと少女が結婚して終わるんです。
これだけ聞くと、え、やっぱりあしながおじさん下心があるからお金出してたんじゃないの?と思うかもしれませんが、このおじさんは過去にも2人の少年を大学進学への資金援助をしており、正体を隠していたのも見返りを求めないスタンスを保ち続けていたいからだったんです。あしながおじさんのしたことは善意100%としての行為だったからこそ、美談としてあるお話です。
そして、私がなぜこの『あしながおじさん』のお話をしているのかと言うと、私も勉学の資金援助の経験があるからです。その人は、あしながおじさんの物語と同様に顔も名前も住んでいるところも知らない人です。
その『遥か彼方の人へ』、お礼の手紙を渡したことがあります。その手紙の返事が来ることは中々無いことなのですが、一度だけ返してくれたことがありました。
もう昔のことなので手紙の内容はあまり覚えていませんが、手紙には小さなハガキの紙に何行もびっしりと、私が書いた手紙への嬉しさが滲み出ている文章が沢山書かれており、文章の最後に「ありがとう」と上品で、すごく綺麗な字で、でもちょっと震えた字で書かれていました。
顔も名前も、どこに住んでいるかも分からない人。その人の情報は何も残ってないけれど、ちゃんと私の中に記憶として残っていて、今でも決して無かったことにはならない存在になっています。
私も「あしながおじさん」みたいに、遥か彼方の人から援助してもらったみたいに、見返りのない優しさを人に与えられたらなと思っています。
優しさが連鎖をするように、私も人から貰った優しさを他の人に渡したいです。
3年目 レッドグローリー
《公演情報》
劇団しろちゃん2024冬公演
「ボイジャーによろしく」
暮らしの中に消えていきそうな私たちをいつか誰かが、見つけてくれるだろうか。
○あらすじ
ボイジャー探査機の発見により異星間交流が始まった世界。
凛は母・楓花がかつて暮らしていたシェアハウス「ひかり荘」を訪れる。楓花はそこでの日々を小説として綴っていた……。
「私たち、ほんとに家族だったのかな。」
ロボットや異星人も住む地球のシェアハウスを舞台に、暮らしの中で消えゆく思いを描く。
■来場チケット↓
https://www.quartet-online.net/ticket/shironiyoroshiku
■配信チケット↓
https://teket.jp/2750/30581
【公演日時】
2/23(金) 19:00
2/24(土) 11:00 15:00 19:00
2/25(日) 12:00 16:00
【チケット料金】
□予約 1000円
□当日 1200円
□グループ割(3人以上) 1人800円
□アーカイブ配信 800円
※アーカイブ配信期間:3月4日(月)9:00から3月10日(日)23:59まで
配信チケットご購入/アーカイブ映像ご視聴には、「teket」の会員登録(無料)が必要となります
【公演場所】
カタリナスタジオ
札幌市北区北10条西2丁目18-1
■出演
大友日菜詩
岩岬那月
赤井煌人
山口真歩
間崎優太
神久保今梨
斎藤秀太郎
野々村有紗
北川翔一
脚本演出:梁知生
助演出:斎藤和寛
■お問い合わせ、SNS等
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後援 札幌市・札幌市教育委員会